【きまぐれ日記】お客様、さすが…
教育ニュースの「美術教育を『国・数』の発想で」を取り上げてみたい。
そこで、私が中学校の頃の美術はどんなんだったかな…?と遠い記憶(なぁに、たかが24,5年前の話)を手繰り寄せてみた。
あれ?
ん?
おかしい。思い出せない…汗。
英語・数学・国語・理科・社会などの主要5科目は鮮明に思い出せるのに(仕事柄か(笑))、美術・音楽はさっぱり思い出せないのだ。技能科目だからそうなのかと思ったが、体育・技術はなぜか思い出せる。
人間には『いやなことを忘れる』都合のよい性質があるので、そのせいかとも思ったが違う。私は美術は好きだったのだ。
一度、県で入選した作品があるので、その作品を書いている時のイメージだけは思い出せるが、その他はさっぱりだ。
私だけかと思って何人かの知り合いに聞いてみたが、みんな似たようなもんだった。
「彫刻刀使ったのは覚えてるな」
「油絵を初めてやったのは覚えてるな。あれ?高校だったっけ?」
…適当である。
そう。印象がない。「描いて」「造って」…以上!なのだ。
音楽と美術に関しては、3年間過ごした貴重な青春の日々がゼロになっている。
なんだか、2次会でカラオケボックスに行ったのに泥酔で寝てしまったために一曲も歌わずに会費だけ払わされたような気分だ。
なぜそうなるのか。
たぶん、「学んでいない」からではないか。
自分にとって、きっと「新しい発見」がなかったのではなかろうか。
いや、先生は教えてくれていたのかもしれない。
美術なら、遠近法の書き方、版画での彫刻刀の使い方、風景画の構図の取り方…。
音楽なら、偉大な作曲家の特徴、上手な発声法、リコーダーの使い方…。
とにかく覚えていないので、これらの例すら書くことができず、なんだか恥ずかしい気がするが。
社会に出てから「あぁ~ぁ。もっと絵がわかる人だったらなぁ」と思ったこともある。
それは、美術館に行った時だ。
絵・彫刻を鑑賞していても、何がスゴいかがわからないので腹が立つほど悔しい思いをする。絵を見ていても、「うまいなぁ」という陳腐な感想しか言えない自分が情けなくなるくらいだ。
そこで絵が分かる人なら、
「この構図は黄金比を使ってるから落ち着いて見えるんだね」
なんて気の利いた事を言えるに違いない。
文部科学省のみなさん、「美術で発想力・思考力を養えるようにしてほしい」などとでっかいことは言いません。
せめて、「絵の鑑賞の仕方」を教えて下さい。
描けなくてもいいから、気の利いた絵の観方を教えて下さい。
世界的に認められる絵は、凡人の書く絵といったい何が違うのか。
美術品屋さんに行って、
「お客さん、さすがはお目が高い!」
という台詞、一度言われてみたいなぁ…。
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