失敗しない塾選び (5)
授業中の生徒の様子はどうか
塾を選ぶ際に重要視する一つに、「講師の説明がわかりやすいこと」を挙げる生徒・保護者がほとんどだ。
だが、塾競争が激しいこの時代に、「講師の説明がわかりにくい塾」など存在するわけがないのである。集団授業で、そこそこ人数が集まっている塾ならなおさら「わかりやすい」はずだ。
別に、うちの塾の指導に自信がないからこんなことを言っているわけではない。私自身、競争の激しい神奈川県の大手塾で約10年間、集団授業で指導経験を積んできた。
新人講師への研修などを担当したこともあるので、自分がわかりやすく説明するのはもちろん、講師にわかりやすく説明させるような研修をすることも可能だ。
では、何が重要なのか。
それは、「授業中の生徒の様子」なのである。通おうとしている塾に体験授業があるなら、ぜひともみておいてほしいのが、生徒の様子だ。
講師の説明は、体験期間だけでも気合いを入れて指導法を研修すればなんとかなるが、生徒の様子はふだんの指導状況がそのまま表われるのだ。
授業中に、
「あぁ…眠い」
「疲れたよ~、先生」
「宿題忘れちゃった~」
「あぁ~ぁ、つまんねぇなぁ」
などの、後ろ向き発言があるような塾は絶対にやめた方がいい。
これ以外にも、授業中に手紙を回し読みしていたり、手紙を書いて講師の悪口を言っていたり、問題をやれと言われてもやらずにだらだらとしていたり…などだ。
朱に交われば…の諺があるように、中学生のように感受性が豊かな年代は特に環境に左右されやすい。
少しでも後ろ向きな生徒がいるのは、講師にとってではなく生徒にとってあきらかにマイナスなのである。
そんな生徒を平気で通わせている塾は、環境を意識していないダメ塾である。
一般社会に入り、組織の中に入ればわかると思うが、一人の不満分子が周囲に悪影響を与え、周りを引き込んでその部署全体を駄目にしていくことは決して珍しくない。
全員が同じ時間・空間を共有する以上、一人でも後ろ向き発言をすることは決して許されないのだ。
うちの塾には、幸いにもそのような生徒は一人もいないが、もしいたら即座に退室とはいかないまでも厳重注意は必至だ。
「この空間に入れば、やる気が出るような気がする」
というピリッとした雰囲気を持つ塾は、成績を上げられる塾だ。
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