【きまぐれ日記】過去を生きる?今を生きる?
「今を生きる~Seize the Day~」という映画をご存じだろうか。
パッチアダムスなどでおなじみの、ロビンウィリアムズ演じる男子校高校教師の青春映画である。
私がこれを初めて見たのは、確か高校3年の時だったと思う。(大学1年か?)
優等生だらけの教室で、机の上に立ち上がって彼が生徒たちに向かって言う台詞が「今を生きろ~Seize the Days~」だったと記憶している。
当時若かった私は、
「『今を生きる』かぁ。いい言葉だ。」
くらいにしか認識していなかったが、この言葉は奥が深い。
決して、『今その瞬間が楽しければいい』という意味ではない。
「人生は長いようだが、細かく区切ると一瞬一瞬の積み重ねである。
つまり、人生は今その瞬間そのものなのである。だから、今その瞬間を大事に一生懸命生きよう。」
という意味だと私は認識しているが、いかがだろうか。
なぜ、この話を思いついたかというと、過去にこんな生徒がいたのを思い出したからなのだが。
「新教研もぎテストが来月にある。それまでに何ができるかを考えて、さっそく今日の夜から始めるんだ。
定期テストからすぐに切り替える必要がある。」
と、ある生徒(A君)との雑談でこんな話をしたところ、彼は、
「明日までに出さなくちゃいけない宿題が溜まってるんです。今日はできなさそうです。」
と答えた。
この時に思わず私が言った台詞が、
「あぁ~ぁ。A君、過去に生きちゃってるね。周りは未来に向けてスタートしているのに、過去に縛られなくちゃいけないなんて。それはまさに『もったいない…』だな。」
いや、もしかしたら、学校の友達のほとんどが前日に慌てて取り組むタイプだから、遅れはとっていないんだ。と、反論するかもしれない。
でもどうなんだろうか。
中には、そんな宿題は出題されたらさっさと終わらせて、もうとっくの昔に提出している生徒もいるのではなかろうか。
この生徒をB君とする。
B君は、はたして今日何をしているのだろうか。
そう。きっと、新教研という未来に向けて勉強をとっくに始めているのである。過去のものはとっとと終わらせて。
この差がおわかりだろうか。
これを図で書くとこんな感じになるのか。
 ̄過去 ̄ ̄↑ ̄ ̄今 ̄ ̄↑ ̄ ̄未来 ̄⇒(時間の流れ)
 ̄ ̄ ̄ ̄A君 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄B君 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
二人とも、今という同じ時間に立っているので同じに見えるものの、行動の中身は雲泥の差である。
過去のものを処理しなければ未来のものに取り掛かれないA君。
かたや、過去のものは処理済みなので、未来の予定に向かって取りかかれるB君。
さらに付け加えるなら、実は、これは今に限ったことではなかったりする。
上の図のA君とB君の感覚をそのままにして左にシフトしたと考えればわかりやすいだろう。
過去のある時点でもやっぱりA君は過去のものを処理していて、未来のことに取り組む暇がない。
一方、B君は、過去のある時点でもやっぱり過去のものはとっとと終わらせて、未来のことに取り掛かっている。
つまり、何なのか。
ギリギリまで取りかからない人は、ずーっとギリギリなのである。
常に過去の処理物に追われて生活している。
すると、未来のことを考える余裕がない。
だから、「緊急性はないけど、重要な仕事」にいつまでも取りかかることができない。
こんな人生、いやだ。
先のことを考えて行動できるから人間なのだ。
「今を生きる」という言葉を私なりに解釈すると、
「今やるべきことを一生懸命やって生きろ。ただし、過去よりも未来のことをより多く考えられるように。」
となる。
自戒の念を込めてがんばろっと。
さてと。明日発行のお便りでも作るか。
(それ、先にやれよ)
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