トップページ > ブログ, プライベート > 【気まぐれ日記】お手伝い

【気まぐれ日記】お手伝い

実家はお茶の小売をしていた。静岡からお茶を仕入れ、それを店舗で売っていた。お茶と一緒に、駄菓子も売っていたりする。それをちょくちょくもらっては食べていた。だから、駄菓子には結構詳しい。

幼い頃、友達からうらやましがられたっけ。

そんな功少年が幼い頃、「家が商売をしてていやだなぁ」と思ったことがある。

それは…

店番である。

幼い子供(小学生)にとって、自分の時間が奪われる「手伝い」は何とも言いようがないくらいいやなもんだったりする。

しかも、その手伝いがお金を扱う「店番」なのだから。

基本的には、父親は外に行商に回っているため不在。
そこで母親が店を切り盛りするわけだが、彼女はやることをたくさん抱えている。
家事・配達・学校行事・地域行事・接客…。

その中でも、家事は大変な仕事のうちの一つだ。

もちろん、チリンチリンと鳴らしたら「お呼びですか。奥様。」と飛んでくるような執事やメイドはうちにはいない。

店番をしながら、掃除・洗濯・料理、その他いっさいの家事をひとりでこなさなければならない。
今考えると、これはかなり重労働だったのではないだろうか。

「洗濯物を干すぞ~」と2階に上がれば、階下のお店から「おばちゃーん。これちょーだい」と駄菓子を買いにきた近所の子供たちからお金をいただかなければならない。

本来ならば、
「80円と20円で100円ね。はい。どうもね~」
とフェイス・トゥー・フェイスで接客をするところだ。

しかし、それが大変なので、
「おつりある~?ないの~?じゃ、お金置いていっていいよ~。どうもね~。」
と、2階から大声での遠隔操作に替わるわけだ。

近所の子供たちも正直だからごまかすということは決してしない。

おつりが出そうならば、
「ぴったりで買った方がいいかな」
とお客さんはつぶやき、良心的に100円分買っていってくれるのである。

そうした風景を幼い頃から見ていた私は、お金が数えられるくらいになった頃から店番をする(させられる)ようになった。母親に、

「功、店みててな」

と言い残されると、大好きだった教育テレビの『できるかな』を見るのを我慢して店に出なければならない。冬は最悪である。当時はエアコンなどというものはなく(実家にはいまだにない)、ストーブのみ。しかも店はだだっ広いために、あまり暖かくない。

もちろん、「お客さん」が来た時に出るだけだから、今考えればそんなにたいした手伝いではないのだが、当時は嫌だった。

やってくる「お客さん」は、やはり近所の子供たち。または、学校帰りの小中学生だ。
自分より年上の子供たちがやってきて、次々と駄菓子などを買っていく。

「やった!ビバオールだ!」といってアイスの当たり棒を持ってきたならば、「もう1本取っていいです」と言って所定の処理(=棒を折る)をする。

「ガチャガチャが出ないんだけど」と言われれば、代わりの100円(50円)に油性マジックで×の印をつけて、「これ使ってください」と言って渡す。
(後でガチャガチャの業者が、このお金を返金してくれる)

大人の「お客さん」が来たときは少し緊張する。大人は駄菓子などは買わない。たいてい、店の奥の方においてある見慣れない食品を買うのだ。だいたいが値札をつけていないので、台所や2階で家事をしている母親に聞きにいかなくてはいけない。

「母ちゃん、この『パリっ子漬け』いくら?」
「380円」

戻ってきて、
「380円です」

とお客さんに向かって言った次の瞬間、その手には別の新しい商品が握られている。
また聞きに行く。

「母ちゃん、『バーモントカレー辛口』いくら?」
「230円」

再び戻ってきて、
「230円です」

と言って、足し算をして合計金額をもらうのだ。
「610円です」

おつりも計算しなければならない。
「390円のおつりです。どうも。」

これのおかげで計算は早くなったよ、母ちゃん。

今思えば、こういった社会訓練は子供にとって必要なのかもしれない。

いや、何も「計算が早くなるから、みんな店番した方がいい」と言いたいわけではない。
「親が抱えている家事(仕事)を手伝うことで、親の大変さがわかる」と言いたいのだ。

幼い頃から、
「母ちゃんも大変だから店番するしかないか。ま、テレビ見られないのも仕方ねぇなぁ」
と、自分のやりたいことを我慢する機会が比較的多かったように思う。

こうした我慢が、「このような時は、こうやるべきだ」という道徳観や倫理観につながっているのではなかろうか。

「手伝いをする子どもほど、道徳観・正義感が身についている」というデータがあるのを、何かで聞いたことがある。

塾の生徒に目を向けてみると…確かに。
家でよく手伝いをしている生徒は、宿題をきちんとやってくる真面目さを持ってるな。しかも、気が利く傾向がある。

「たかが手伝い。されど手伝い。」

さて、我が家では何をやらせてみようかな。

カテゴリー:ブログ | プライベート 投稿日:【2008 年 12 月 4 日】
コメントなし

この記事にはまだコメントがありません。

コメントをどうぞ




このページのトップへ

福島県福島市のホームページ制作